2010年8月10日火曜日

まずは、”即答”

弊社の顧問会計事務所から定期的に読み物が届きます。その中に興味深い文章がありましたのでここで紹介します。

喜んで承諾することを「二つ返事で引き受ける」と言いますよね。「はいはい!」と返事をすれば、確かに反応がいいように感じます。
ちなみに現代版の「二つ返事」と言えば、

妻「ねえ、これ見て」
夫「はい、はい」
妻「3億円当たったんだって」
夫「すごい、すごい」
妻「人の話聞いてるの?」
夫「聞いてる、聞いてる」
妻「じゃあ、今何て言った?」
夫「・・・へっ?」

どうやら、同じ言葉を二度重ねることで言葉とは裏腹な意味になっているようです。
返事は相手に対する「反応」です。返事ひとつで顧客との信頼関係が深まることも十分あります。ここで、あなたの「返事能力」をチェックしてみましょう。

Q:顧客から「新製品の特徴は何ですか?」と質問されました。その答えとして最も相手の興味を引く返事は次のどれでしょうか?

(1)「使い勝手の良さです。」
(2)「それはやはり使い勝手の良さだと思います。」
(3)「今回の商品は使い勝手の良さを重視しており、もちろん機能性も向上しておりますが、お値段は据え置きでご提供させていただいております。

A:正解は(1)番です。

アメリカのある心理学者が学生を対象に行った模擬裁判の実験によると、冗長な話し方の証言より、ひと言で言い切る短い証言の方が信頼度が高いという結果が出ました。つまり人間は、短く、はっきりした意見をより強く支持するのだそうです。先程の答えを見ると、どれも「使い勝手の良さ」をアピールしている点では同じですが、問題は相手への訴求力の高さです。質問に対して(1)のように素早く、短く、明確に答えると、まずは相手の頭に「使い勝手の良さ」のひと言が刻まれます。

一方(3)は親切丁寧な返事に思えますが、言葉を重ねると話しながら自分でも混乱してきます。聞いている相手はもっと混乱するでしょう。言葉数が増える分、理解にも時間が掛かります。また、自信のないときほど口数が増えるものですが、自信のなさを言葉で補おうとしても逆効果。より詳しく、よりアピールしたい気持ちはわかりますが、可能な限りまずは(1)のように即答して相手の支持を得る。その上で交渉を進めた方が展開はスムーズです。そこから具体的な使い勝手の良さ、自慢の機能性、お得な据え置き価格のアピールを存分に行って、めでたく「では頼むよ」という運びになったら、その時は「返事はひとつ」が良さそうですね。

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