2011年5月29日日曜日

おばあちゃん。ま・ま・まさか・・・!

先週の木曜日に浪人中の長男が、大阪の病院で肩の手術を行いました。脱臼癖のある長男は大学でも野球をやりたいと希望していまして、思い切って手術に踏み切ったのです。

手術は成功し土曜日に退院の運びとなりまして、私と家内は朝早くから車に乗って退院の手続きで大阪に向かいました。午前中には退院の手続きも終わり病院を後にすることが出来ました。3人を乗せた車は長男が下宿している京都へ・・・♪

京都は私が学生時代に過ごした大変懐かしい町です。
お昼過ぎに京都に着きました。

「京都はええなあぁ~~!」
「昔、よく食べに行った食堂はどうなってるやろ・・・」
と思って、無理矢理二人を引き連れて京都市の北の方で上賀茂神社近くにあった今井食堂ってところに向かいました。

車で賀茂川沿いに北上し、

「この道が北大路通りってゆうんやで♪」
「この道が北山通りやで♪」
「おとうちゃん、この道を自転車でよお通ったんや♪」
「川の向こうに見えるんが植物園でな、もうちょっと行ったら上賀茂神社やで。」
ってな感じで(^。^)。

「ええっと・・・どこやったかな・・昨日、インターネットで調べたんや。まだ営業してるった書いてあったんやけどな・・・」
「あった!あった!あれやあれや!」

家内「なんか、亨さん泣き出しそう。」
長男「絶対オヤジ泣くで!」「ほんで語りだすんや。泣きながら。」
家内「絶対泣かんといてよな」
長男「泣く泣く。絶対。」

小さなのれんが下がっている1m位しかない狭い入り口から木の椅子に座っているお客さんのお尻が2つ見えまして・・・

家内「亨さん。私らはみ出すと思うわ。」
長男「座れへんで!あれ狭すぎるで!」
私「まあまあそう言わずに。入ってみよ」

少しドキドキっす。
中に入ってみると30年前とほぼ一緒。名物の鯖煮定食を作る大きなお鍋が4つウナギの寝床のようなお店の奥の方に見えました。

私「懐かしいっーー!!」「全然変わってへん。」「ええっと・・・いつも頼みよった鯖煮定食にしよっと『鯖煮定食3つお願いします♪♪』」

店内を見渡すと、野球選手のサインや写真が一杯飾ってあります。
元ヤクルトスワローズの古田さんと一緒に写真に写っていたのが、いつもお世話になったおばあちゃんです。鶴瓶さんの写真とサインもありました。

ココは京都の学生達がよく集まる食堂でした。
お店はウナギの寝床のように奥に長く、店内には学生や外国の留学生など10名程のお客さんで賑わっていました。

昔同様に息子さんが厨房の奥の方で料理を作っています。その奥さんらしき人が注文を取ってご飯を運んでいます。
もちろんおばあちゃんはいません。
だって30年前にもうおばあちゃんだったのですから・・・生きてるはずがありません。

お鍋でグツグツ長い時間煮込んである鯖煮の味は昔のままで、家内と長男もその味に満足してくれました。

「ア~。美味しかったなア~♪」「ほな、そろそろ帰ろか。」「お勘定お願いします。」

私は、おばあちゃんのことがすごく気になっていたので・・・ついつい
「ところで奥さん・・・・・。おばあちゃんは何歳でなくなられたのですか?・・・・・」

少しの空白があって、

「生きてます。。。」
『えーーーーー!!!生きてらっしゃるんでスか!!!!』
「今年で96歳です。。。」
『えーーーーー!!!まじっすか!!』

そこで家内が助け船「しゅ・・しゅ・・しゅじんが、昔よくココで食事を食べさせていただいて、お世話になったそうで。スミマセン。」

奥から息子さんが出てこられて「それはそれは。どうもどうも。」
私「・・・・(^^;)」冷や汗ッス。

それから昔下宿していた寮を探してふらふらと散策。残念ながら学習塾に変わっていたり、田んぼになっていたりとなくなっていました。もう30年も前のことですから・・
でも寂しい・・

寮の横にあった神社が残っていたので車を止めてお参りに行きました。
「オヤジ。ええで。待っとくから。行ってき!」
「じゃあちょっと・・。お言葉に甘えて♪ほんの数分待っててネ。」
「オヤジのことやから、多分30分くらい帰ってこおへんと思うで。」
「あそっ♪」

息子の大人な言葉に見送られて神社でお参りした後、寮の跡地をカメラでパシャパシャと10枚程撮影してしまいました(^^ゞ。

今井食堂で買ってきたお持ち帰りの「鯖煮定食」と寮の跡地の写真、そして土産話。
同じ下宿に住んでいた姫路の親友にお土産一杯になっちゃいました♪
そんなこんなで楽しく有意義な一日でした。

2010年8月10日火曜日

応援ありがとうございました。

取引先や知人、野球関係者等、大変多くの方々から長男の高校野球での活躍を応援してくださるメッセージをいただきまして、本当にありがとうございました。

残念ながらチームは5回戦で敗れてしまいましたが、
本当に素晴らしいチームメイトに恵まれ、多くの方々と良きご縁が持てましたことを心から感謝しております。

さて、兵庫県予選で神港学園戦に敗れた日の晩のことですが、
私と家内は用事があり、帰宅するのが夜遅くになってしまったのですが、

「家でどうしてるかな・・・」
「落ち込んでないかな・・・」
と、息子を心配しながら帰宅しました。

家に着き中に入ると、息子は食卓で勉強をしていまして、我々二人の姿を見つけると、
「お帰り」「お疲れ様」
と、元気な声と笑顔で迎えてくれました。
私達を心配させない気遣いからの笑顔と、出来ることはやったという満足感からの笑顔だったと思います。

ケガと故障続きで思うようなスイング作りが出来ず、理想と現実との葛藤で息子も私自身も大変歯がゆい1年間でしたが、指導者の皆様、OBの皆様、チームメイトの皆様、保護者の皆様、その他多くの関係者の皆様のお力添えで有終の美が飾れたのではと思っております。

彼をはじめ高3のチームメイトには、また新たなステージが待っていると思います。
彼らの目指している進路・舞台での彼らの生き生きとした姿を楽しみにし、ずっとずっと応援し続けたいと思っております。

本当にありがとうございました。

まずは、”即答”

弊社の顧問会計事務所から定期的に読み物が届きます。その中に興味深い文章がありましたのでここで紹介します。

喜んで承諾することを「二つ返事で引き受ける」と言いますよね。「はいはい!」と返事をすれば、確かに反応がいいように感じます。
ちなみに現代版の「二つ返事」と言えば、

妻「ねえ、これ見て」
夫「はい、はい」
妻「3億円当たったんだって」
夫「すごい、すごい」
妻「人の話聞いてるの?」
夫「聞いてる、聞いてる」
妻「じゃあ、今何て言った?」
夫「・・・へっ?」

どうやら、同じ言葉を二度重ねることで言葉とは裏腹な意味になっているようです。
返事は相手に対する「反応」です。返事ひとつで顧客との信頼関係が深まることも十分あります。ここで、あなたの「返事能力」をチェックしてみましょう。

Q:顧客から「新製品の特徴は何ですか?」と質問されました。その答えとして最も相手の興味を引く返事は次のどれでしょうか?

(1)「使い勝手の良さです。」
(2)「それはやはり使い勝手の良さだと思います。」
(3)「今回の商品は使い勝手の良さを重視しており、もちろん機能性も向上しておりますが、お値段は据え置きでご提供させていただいております。

A:正解は(1)番です。

アメリカのある心理学者が学生を対象に行った模擬裁判の実験によると、冗長な話し方の証言より、ひと言で言い切る短い証言の方が信頼度が高いという結果が出ました。つまり人間は、短く、はっきりした意見をより強く支持するのだそうです。先程の答えを見ると、どれも「使い勝手の良さ」をアピールしている点では同じですが、問題は相手への訴求力の高さです。質問に対して(1)のように素早く、短く、明確に答えると、まずは相手の頭に「使い勝手の良さ」のひと言が刻まれます。

一方(3)は親切丁寧な返事に思えますが、言葉を重ねると話しながら自分でも混乱してきます。聞いている相手はもっと混乱するでしょう。言葉数が増える分、理解にも時間が掛かります。また、自信のないときほど口数が増えるものですが、自信のなさを言葉で補おうとしても逆効果。より詳しく、よりアピールしたい気持ちはわかりますが、可能な限りまずは(1)のように即答して相手の支持を得る。その上で交渉を進めた方が展開はスムーズです。そこから具体的な使い勝手の良さ、自慢の機能性、お得な据え置き価格のアピールを存分に行って、めでたく「では頼むよ」という運びになったら、その時は「返事はひとつ」が良さそうですね。

2008年11月11日火曜日

接客の基本と一歩先を行く対応

接客対応には下記の三つのレベルがあります。

・『基本接客』
・『専門知識』
・『安心感』

『基本接客』
まずは常識的な挨拶やお辞儀など。これはお客様に対してだけではありません。弊社にお見えになる取引先の担当者や出入り業者に対しては勿論の事、スタッフ間でも大変重要です。ファーストコンタクトである基本接客で、笑顔が視界に飛び込んできたら大変嬉しいものです。それは電話の向こうのお客様にも必ず伝わります。

『専門知識』
商品に関する知識やアドバイス(提案力)が必要です。何を聞いても「少々お待ち下さい」ではお客様は頼りなく感じてしまいます。逆にお客様の欲求を即座に把握し、提案出来れば期待以上に満足いただけます。

『安心感』
人間として信用・信頼してもらうことです。実店舗で高額商品を薦められた時、お客様が「この人は高い物を売りたいから薦めているのだ。」と感じるか「この人は本当に私にふさわしい良い品を薦めてくれているのだ。」と感じるかの違いは、その店員の人間性をお客様が信用しているか否かに関わっています。「あなたが薦めてくれるなら買うわ♪」という信頼を得ることが出来れば、良い関係のサイクルが生れ、お客様の再来店につながります。

お客様に満足いただいたことのわかりやすい基準はリーピートです。
リピーターを増やすことがスタッフの仕事です。商品の説明の仕方や知識、電話やメールでの対応等あらゆる場面でお客様から試されています。「サービス(接客対応)はお客様のワガママとの競争」です。どんなに質の高いサービス(接客対応)も、はじめは満足していたお客様も経験を重ねるうちにそのサービス(接客対応)に慣れてくるのです。そのサービス(接客対応)が当たり前になり、次第に物足りなくなるのです。「慣れ」は「飽き」につながります。

お客様の期待するサービス(接客対応)の半歩または一歩先を常に考え、提供し続けられる会社・スタッフ自身でなければなりません。

2008年11月7日金曜日

自動販売機ではダメ!大手企業の失敗の原因

弊社の目指すビジネスモデルは、通販システムのフロントとバックヤードは勿論の事、コールセンターや物流からプロモーションにいたるまでITを駆使した、よりシステマチックな経営を目指しています。しかし、ここで間違ってはならない事があります。それは、人と人とのつながりや人間の温度を感じないようなビジネスをしてはならないという事です。

ネット通販はあくまで小売業です。小売業がインターネットというツールを使って商売をする。一見、無機質のPCとPCがやっているという錯覚に陥りやすいのですが、その奥に存在する人間と人間。人と人がどれだけ繋がっていられるか。しかも距離を超越して。お客様にスタッフの温度を届ける。人間がやってますヨと・・・。人がこの奥に存在していますヨと・・・。決して自動販売機ではないヨと・・・。

常にこの事を意識してやって行くのが重要です。例えばお客様からお問い合わせのメールが来たとしましょう。その文中に「今度、姫路に観光に行くんです。」という文言があったとしましょう。そんな時は私自身が知っているオススメのスポットや美味しいお店をご紹介する。人間として普通の接客。人と人との対面の販売だったら当り前の対応を行う。会社を信用してもらう以上に、高橋という人間、ティーエッチエスのスタッフという人間を先に信用してもらう。その意識が重要だと思います。

私は大学を卒業すると同時に家業の白衣店を継ぎました。
実は、他の仕事がしたかったのですが、父との大学入学時の約束「卒業後は家業を継ぎます。」を破る訳にはいかず、半分イヤイヤで仕事をしていました。
私は子供の頃から父を大変尊敬していました。そしてその父を仕事で超えたいと常々思っていました。しかし「父が創業した白衣店という同じフィールドではとてもじゃないが父を超えられない。」「他の職種なら・・・。」「自分の力だけで父を超えたい!」当時の若い私にはそう言う思いが強くありました。

私の20代は空白の時代でした。仕事に身が入らず遊び呆けていました。私は子供の頃から人前で話をするのがとても苦手で、授業中先生に当てられると真っ赤になって何も答えられない内気な少年でした。そんな性格ですから、仕事を手伝い始めた当初は営業がとにかく苦手でした。お得意先の飲食店のオーナーとの商談時に、自分が考えている提案を上手く説明する事が出来ず「オヤジさんはしっかりした人だけど・・・。オヤジさんも苦労するだろうね。」と言われた事もありました。苦い思い出です。

今でも沢山の人の前で話をするのは苦手ですが、昔は本当に苦手で辛かったです。しかし、俗に言う”人間嫌い””話嫌い”ではなく人間が大好きでした。家業に身が入らない私のせいで白衣店の経営も右肩下がりになって来ました。
「このままではいけない。何とかしなければ!」と思い色々な事をしました。

そんな時です。インターネットの普及に大きな可能性を感じ、ネット通販に着手したのは・・・。インターネットの黎明期。楽天もGoogleもなかった頃です。右も左もわからないまま独学でホームページを作成し白衣のネット通販を始めました。

当時の注文はショッピングカートも無いため、E-mailでの注文が中心でした。1ヵ月に10件程度でしたが、お客様からの注文メールが届くと、飛び上りたくなるほど嬉しかったのを憶えています。お客様への注文確認メールには、季節の挨拶や話題を加えて返信していました。注文確認メールへの返信があると、今度は別の話題を書いてメールを返信していました。お客様とのやり取りが楽しく、お客様が満足して喜んでいる様子がメールの文中からうかがえると、私も本当に嬉しかったです。

今となっては笑い話ですが、当時2万円程度のプリンターを買うのも惜しんで、すべて手書きでやっていました。妻から「プリンターくらい買いなさいよ!」と言われても買う勇気がありませんでした。そのせいで右手が腱鞘炎になってしまい、送り状を書く時が特に苦労しました。

1.お客様からの注文メールの内容をメモ用紙に書き写す。
2.売掛帳に注文メールの内容を記入する。
3.メーカーへの発注書を書く。
4.お客様とのメールのやり取りを複数回。
5.納品書を書く。
6.請求書を書く。
7.お礼の言葉を便箋に書く。
8.送り状を書く。

対面販売や営業が苦手な私ですが、E-mailや電話での対応は大変得意でした。今にして思えば私にあっていたのでしょう。

ネットショップが誕生した当初、大手企業のEコマース部門が次々と失敗しました。一番の理由は、企業のネットショップの担当者が、コンピューターに精通しているというだけで決められたからと聞きました。商売における心よりもシステム優先の非対人的な、”自動販売機”的な事をしていたからだと思います。小売業の基本から外れてしまってはお客様の気持ちや求めているものが見えなくなり、結果ぞんざいな対応になったり、お客様の支持を得続ける事が出来なくなります。

確かにネットショップは非対面型であるため、時間と場所の概念がなくショップ側にとっては24時間365日のフル営業で常に商品を売り続けられる利点もあります。しかし、その利便性だけで買い物をしている訳ではありません。お客様の立場になってみれば、緊急性を要しない買い物であれば、接客サービスが不十分な店でお金を払って買い物をしたいとは思いません。

人と人との係わりが希薄な現代社会とは言うものの、心のどこかには人との関わりを持ちたいという気持ちがあると思います。誠意や真心のこもった温かいおもてなし、接客は余計に嬉しく感じるものです。ネットショップでは、実店舗並みの接客レベルを持ち、ITを駆使した非対面販売型の効率も追及する。この接客マインドとIT技術の2つの視点を併せ持つ事が大変重要だと思います。

2008年10月23日木曜日

目標を”感じる”

目標を持つことが成功の秘訣だとよく言われますが、イメージすることが難しい目標は、必ずしも良い結果を招くとは限りません。

ある飲食店の社長が、売上倍増を目標に先行投資を行うとして、従業員数を急激に増やしました。しかし、人を増やせばその教育や管理に多大なエネルギーが必要です。従業員の遅刻や不祥事ばかりではなく、賃金や仕事の進め方の不満など人事力ウンセラ―のような日々を送る中、顧客が自社商品から離れて行くのに気付かなかったと言います。結局その会社は、売上倍増計画スタ―ト時点にも達しない状況に後戻りしているのです。目標を設定すると確かに”頑張る”けれども・・・では、どのようにすれば良かったのでしょうか?

ある経営コンサルタントの人が「成功者になり切って考える方法が良いですよ。」と教えて下さいました。その達成者を仮にBさんとしましょう。たぶんBさんは立地のよい場所に店を持ち、例えば”1日平均200人くらい”の客が見込めたのかも知れません。そして、その客は飲酒も合わせて、平均的に1人1,500円位は使ってくれたとします。ここから計算が始まります。200人が平均1日1,500円使えば、1日の売上は30万円になります。そうすると、1年280日店を開けるとして、年間売上は、30万円×280日=8,400万円に達します。『なんだ。もうすぐ1億円になるじゃないか』という気になります。『出来そうだ!』という気になるわけです。そして、”1億円達成像”を想定してみます。しかも、客数だけなら、1日200人⇒238人になれば年間売上1億円。客単価だけで、1人1,500円⇒1,786円で、年間売上1億円。営業日数なら、年間280日⇒334日になって年間売上1億円。などと具体的に分解してみるのです。そして客数、客単価、営業日数など出来そうな形で組み合わせて、目標を作るのです。もちろん客数などは、目標を決めても思い通りにはなりませんが、客数が減った時には、営業時間や営業日数、あるいは追加メニュ―や飲料の工夫で頑張れたでしょう。

―般に目標を立てて成功している人の多くには、目標を作る前に、『ああ、出来そうじゃないか』という驚きのような発見があるのだそうです。目標が突然出来るのではなく、目標は”出来そうだ”と感じることの一歩先に出来るものだからです。”出来そうだ”という実感の延長にない目標は、確かにBさんの売上倍増目標のように、無理を招いて自滅の素になってしまうかも知れません。大事な事は、自分の中に”出来そうだ”という実感を探して目標を設定する事だと思います。

2008年8月18日月曜日

頑張りを支えるもの

昨日、知人のお見舞いに行って来ました。昨年の春、仕事場の建築現場で運悪く足を滑らせ下半身が不自由になってしまったのです。

彼と初めて出会ったのは12年程前。子供を連れて潮干狩りに行った時でした。お互いの子供同士が同級生で、嫁さん同士も大変仲良しだったため「〇〇君のお父さんヨ♪」と紹介されました。第一印象は少し無愛想で人見知りするような感じを受けました。しかし私は彼と波長が合い、一緒にいるだけで楽しく色々と行動を共にしてきました。

1年2ヶ月振りの再会です。彼と会えると思うとすごく嬉しい。懐かしい。その反面不安もありました。事故当初、自暴自棄になり、人と会うには大分時間が掛ると聞かされていたからです。最近やっと前向きな姿勢が出てき、人と会う気にもなってきたとは聞いてはいましたが・・・不安でした。施設に着くと建物の扉が開き、車椅子に乗ってこちらに向かって来る彼が居ました。懐かしい!色白になってはいるものの、以前と変わらぬ職人気質の風貌と口調。良かった!!。目を合わすと涙がこぼれそうになる。なんと声を掛けていいものか。自然のまま、前向きな対応をと思っていても。「どうして彼がこんな目に・・・」と、ついついその思いが言葉に出てしまいそうになります。「こんなことも出来るようになった。」と車椅子の後輪だけで静止して見せてくれました。彼の右腕には包帯が巻かれていました。車椅子の操作練習中に転んでケガをしたそうです。下半身のみならず腹筋にも力が入らない彼にとって車椅子を操作し座っているだけでもつらいのでは。当日の昼食に近くの焼肉屋に連れて行ってくれました。食が細くなり以前の半分の量になったとのこと。彼の奥さんは明るく気丈に、以前と変わらぬように彼と接しています。楽しいひと時でした。

施設で別れを告げ、駐車場の車の中で帰り道のナビ設定に手間取った後、駐車場の出口から走り出すと、ずっと待ってくれていたようで、子供と夫婦2人で手を振って見送ってくれました。熱いものが込み上げてきました。彼と家族の並々ならぬ頑張り。ただただ見守ることしか出来ませんが応援するのみです。

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